キューバ(正式名称:キューバ共和国)はフロリダ湾を隔てて北にアメリカを望む、カリブ海に浮かぶ最大の島キューバ島と周辺の小島からなる国です。かつて、この地を初めて訪れたコロンブスは「人間の目が見た最も美しい土地」と表現しています。
なだらかに続く平地、美しい海に囲まれた常夏の楽園は「カリブ海の真珠」とも呼ばれています。
首都ハバナの西に隣接するマリアナオ、北部のバラデロ、キューバ島南西約100kmのカリブ海に浮かぶ「青年の島」などのビーチリゾートを有し、スペイン植民地時代の建物ほか多数の世界遺産を有しています。
また、一方では中南米唯一の社会主義国でもあり「カリブに浮かぶ赤い島」の異名も持っています。
色々と深い歴史的な背景があるキューバ。このキューバに暮らす人々の性格や外見的特徴、国民性をまとめました。
首都 | ハバナ |
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人口 | 1148万人(2017年) |
面積 | 11万㎢ |
言語 | スペイン語 |
宗教 | 無宗教、キリスト教 |
通貨 | ペソ |
キューバとはどんな国?キューバと言えば?
キューバにはどんなイメージがありますか?私の場合「野球が強い」そんなイメージがあります。他には暖かい国なので陽気な人々をイメージするかもしれませんね。
それではまずはキューバ人を知るためにカリブ海に浮かぶ島国キューバについて見ていきましょう。
キューバ革命
やはり、キューバを知る上で欠かせない出来事といえば「キューバ革命」です。
1959年、フィデル・カストロやエルネスト・チェ・ゲバラらが中心となり、それまでのアメリカの影響を強く受けていたバティスタ政権を倒すために武力開放闘争を起こしました。
スペイン支配から抜け出してもアメリカのいいなりになる政権に対して反旗を翻したわけですね。
革命後は長くカストロ政権が続き、共産主義国となりました。街を歩くとゲバラの似顔絵や「万歳」とかいてある旗を見かけるほど、彼らはキューバ人にとってのヒーローです。
貧しいけど学費と医療費など保障が充実
アメリカからの経済制裁が続くキューバでは国民の生活は決して豊かではありません。現在でも大半の物資は配給制が敷かれており、足らない部分は各自家庭菜園などで補っています。
しかし、一方で教育や医療は充実しており、教育と医療福祉には国家予算の40%(それぞれ20%ずつ)が分配されています。
社会主義国だけど信教は自由
社会主義国ではありますが、信教の自由は認められているので信仰は人それぞれです。全体で言えばカトリック信者が多いですが、アフリカ起源のサンテリーア、ハイチのブードゥー教なども浸透しているほか、スピリチュアルなものも人気なようです。
この緩い信仰、ごちゃまぜな信仰があってか、カトリック信者であっても「クリスマスを祝う」「結婚式は教会」といった程度の信仰心の方が多く、敬虔な信者は少ないといいます。
ある意味で様々な宗教が融合して、独自発展を遂げているとも言えます。
クリスマスやハロウィンなど色々な文化を取り入れ、独自解釈して楽しむ様はどこか日本人の感覚にも似ていますね。
葉巻とラム酒
キューバの名産品はいくつかありますが、「葉巻」と「ラム酒」はとても有名です。
葉巻は、最近では「シガー」と呼ばれて日本でも愛好家が増えていますね。世界中に様々な銘柄がありますが、キューバの葉巻は世界一と言われるほど有名であり、良質とされています。
国有会社のハバノス社がキューバ産の全ての葉巻の販売を担っているため、世界中の愛好家はキューバ産葉巻のことを「ハバノス」と呼ぶようです。
また、日本でも手に入る「ハバナクラブ」はキューバで古くから愛されているラム酒で、3年、5年、7年と熟成度によって値段は異なりますが、物価の低い現地では安いもので500円ほどから販売されています。
ラム酒にレモンジュースと砂糖を加えてミントの葉を添えた「モヒート」は日本でも人気ですね。
ただし、国民全員がラム酒と葉巻をたしなむわけではなく、一般的にはコーヒーがよく飲まれています。
ムラート(混血)の文化
ムラートは、ラテンアメリカおよび北アメリカでヨーロッパ系白人とアフリカ系黒人との混血を指す言葉。
引用:wiki参照
スペイン人はキューバに入植する際に、先住民を蹂躙、絶滅させ、労働力としてアフリカの黒人奴隷を連れ込んだ歴史があります。
この黒人と白人との間で混血化が進んだことにより、キューバ独自の気質(スペイン譲りのお気楽でなんでも受け入れるラテンの気質と黒人らしい反骨心と忍耐力)が融合したと言われています。
また、1959年のキューバ革命時に政府は「キューバ人とは白人以上、ムラート以上、そして黒人以上のものである」と述べ、人種差別を撤廃しています。
キューバ政府は「差別を助長する」として、人種統計を出してはいませんが、日本の外務省の推計では白人25%、黒人25%、ムラートが50%となっています。
今のキューバはムラート(混血)が中心となって作り上げた国であることがわかります。
共産主義国であるキューバには閉鎖的なイメージがあったかもしれませんが、カリブ海の温暖な気候とヨーロッパ的な文化が混在したとても魅力的な風土です。
その他、野球やバレーボールも有名なので日本にいてもキューバを感じる機会はありますよね。それでは、このキューバに暮らすキューバ人の性格や国民性を見ていきましょう。
キューバ人の性格・国民性
キューバはカリブ海に浮かぶラテン系の国なので、何となくイメージで「陽気」で「賑やか」そんな雰囲気をイメージする人も多いのではないでしょうか。
国民満足度が高い国とも言われるキューバに暮らす人々の性格について見ていきましょう。
キューバが好き(愛国心が強い)
キューバの人々に「自分の国は好きですか?」と尋ねればほとんどの人が「好き」と答えます。その理由は様々ですが、キューバはキューバ革命以降アメリカとの対立を深め、社会主義国となっています。
低所得でも手厚い社会保障を受けられ、医療費や教育はすべて無償です。キューバではホームレスを見かけることはほとんどなく、失業率も極めて低いと言われています。
まだまだ決して裕福な国ではありませんが、キューバ人は自国に深い愛を持っています。
直情的で感情的(自己主張が強い)
キューバ人は回りくどい言い回しが苦手で、良いことも悪いこともハッキリと伝える人が多いです。
嫌なことがあれば、ムッとして黙るような性格ではないのでときには言い争いになることも…。喧嘩になれば両者ともに引き下がることは少なく、納得が行くまで話し合いたいと考える性格のようです。
仮にキューバ人とケンカになってしまったら一旦冷静になるのがいいかもしれませんね。
直情的でカッとなりやすい性格ですが、理屈よりも感情で行動するタイプなので気持ちがおさまればケンカも収束することがほとんどです。
明るく陽気で気さく
キューバのお国柄とも言える陽気さは暖かく穏やかな気候が育んだものかもしれません。街を歩けば軽快な音楽が聞こえ、音楽に合わせ楽しそうに踊っている人もいます。
社交ダンスでも用いられるルンバやマンボ、その他サルサなどアフロキューバン音楽の発祥の地でもあります。
とにかく音楽と踊りが好きなキューバ人は相手が友達か恋人かでステップが違うと言われており、キューバ人はダンスで会話をするとも言います。気軽に踊っているつもりが夜のお誘いを受け、さらには知らないうちにOKしてしまっている可能性だってあるんです。
また、外国人にもとてもフレンドリーで、キューバでは観光客もホテルに泊まることはそれほど多くありません。(政府から許可を得た一般家庭に宿泊することができるからです)
気楽で賑やかな性格というよりは穏やかで優しい性格をしている背景には貧しくても保証があり、将来への漠然とした不安が無いからなのかもしれません。
反骨心が強い反面従順な性格
キューバはかつてスペインの支配下にありました。米国の支援を受けて独立を勝ち取ったかのように思えましたが、今度は事実上アメリカの支配下に入ってしまいます。
キューバ革命後の現在は他国の支配からは抜け出しましたが、独裁政権の時代へと移行しました。
そういった歴史的背景からなのか、キューバ人はどこか追従しやすい傾向があり、権力者や立場の上の人には従いやすいようです。
キューバ人の性格はキューバの歴史に基づいていることがよく分かります。支配され、脱却してやっと自分たちの国を手に入れても100%の自由は得られないけれど、その中で幸せを見つけるのが上手なのがキューバ人と言えるのかもしれませんね。
しかし、日々の生活をポジティブに生きる様はとても魅力的ですね。
キューバ人の恋愛と結婚観
キューバの人々の恋愛観とはどんなものなのか。「ラテンの国」と言えば、開放的で情熱的なイメージがありますよね。
恋愛にとってもオープンな国、キューバの人々の恋愛観と結婚観を見ていきましょう。
女性が大好き
キューバでは若い女性が街を歩けばしょっちゅう声をかけられます。
「かわいいね!」「美しい!」なんて声をかけてくるのは若い男性とは限りません。見た目はおじいちゃんでもまだまだ現役です。
時にはクラクションを鳴らしたり、道端の花を摘んで渡してくれたりとそのアプローチ方法は様々です。
女性にとっては、可愛い、綺麗と言われるのは嬉しいことですが、初対面で名前も性格も何もわからない状態でアプローチが激しすぎるので嫌になってしまう女性も少なくないようです。
理想の男性像「お金持ちはモテる」
キューバ人女性に結婚したい男性に求めることを聞けば、「居住環境」や「収入」と答える人が多いようです。
キューバは社会主義、共産主義の国なので貧富の差が激しい国ではありません。そのため、女性が求める「収入」と言うのもお金持ちという意味ではなく、不自由を感じずに生活が送れるかどうかということのようです。
実際キューバ人のほとんどが同じくらいの収入なので、裕福な人のほとんどは親戚などが海外にいて仕送りを受けている人というのが現状です。
理想の女性像「一途でルックスの良い人」
現実的な条件を提示する女性に対して、キューバ人男性が求めるものは、「ルックス」や「性生活」、「清純さ」です。自分だけを愛していて、夫婦としての生活が保たれることを望みます。
性欲の強いところがやや目立つキューバ人ですが、もちろん愛があってこそです。
遊びで浮気をしたり、体だけの関係を求めたりというものは好みません。一途でロマンチストなところがあるのも、女性が好きだから、なのかもしれません。
ちなみにキューバでは毛深い人が情熱的でセクシーとも言われています。キューバ代表として活躍する女性アスリート(バレーボール選手)などを見ると腋毛を処理していない人もいるくらいです。
離婚率も再婚率も高い
日本の離婚率も上昇傾向にありますが、キューバはとても離婚率が高い国です。離婚理由は性の不一致や性格の不一致など様々です。
しかし、キューバ人は離婚率とともに再婚率が高い国でもあります。離婚を経験しても結婚にこりることはなく、また恋愛をしては結婚する道を選びます。
生涯のパートナーを得たいと考えるのは男女とも同じで、再婚率も男性がやや高めですが、女性も再婚する人が多いです。
キューバ人、特にキューバ人男性は素直な恋愛観をしていますよね。それに対して女性はとても現実的です。結婚に求める条件は対照的で面白くもあります。
男性と女性の違いとしては日本もこの傾向に近く、少し似ているかもしれませんね。
キューバ人の見た目やスタイル
キューバのある南米と言えば褐色の肌色をイメージする人が多いかもしれませんが、実はキューバには白人も多いんです。
白人と黒人が融合
キューバはラテン系の国で南米に位置しており、何となく褐色の肌色をイメージしますが、キューバ人の約4分の1はヨーロッパ系の白人です。
キューバは長くスペインの領土でしたので、その時代にやってきたスペインをはじめとするヨーロッパ出身の人々が定住したためです。とはいっても褐色の肌色のイメージが間違っているわけではありません。
キューバにはヨーロッパ系移民とアフリカ系の黒人、そしてその混血であるムラートと呼ばれる人々が混在しています。いわゆる褐色の肌色はこのムラートにあたります。現在のキューバでは混血の人々の割合が1番多いです。
太い眉としっかりとした暗めの髪
キューバ人の顔立ちを見た時に目が惹くのは太い眉やしっかりとした髪の毛です。これはラテン系の人々に多い特徴とも言えますが、褐色の肌色にしっかりとした眉と髪の毛はその人の印象をより強くしています。
髪の毛の色は暗めで、黒もしくは赤っぽい茶色の髪の色をした人が多いです。
面長で柔らかい印象の顔立ち
キューバ人には面長な人が多く、しっかりとした眉と眉の間から通る鼻筋は長く、やや丸いのが特徴です。
シャープな北欧系などの鼻筋とは異なっていて、鼻腔もやや広めなので柔らかい印象の人が多いです。
老若男女問わずおしゃれ
キューバ人はおしゃれを楽しむのがとても上手です。若い人だけでなくお年寄りまで明るい色の洋服を身に付けたり、ストローハットをかぶっていたり、とにかくおしゃれに余念がありません。
日本でも数年前からトレンドになっているキューバシャツは、温暖な気候で蒸し暑いキューバならではのファッションです。コットンやリネンなどの通気性の良い素材を使用し、それぞれに刺繍が施されています。
キューバには黒人と白人、そしてその混血の人々が暮らしています。ここは南米らしい特徴とも言えます。
キューバ人やキューバハーフの有名人・芸能人
キューバ人を知る上で参考になるキューバの有名人や芸能人を紹介します。有名な方々にはキューバ人の性格的特徴がよく見られます。
カミラ・カベロ
1997年生まれ、キューバ・ハバナ出身のシンガーソングライターで、現在はアメリカで活躍しています。
以前は「フィフス・ハーモニー」というガールズグループのメンバーとして活動していましたが、2016年に脱退しています。2018年1月にリリースした初ソロアルバムは全米アルバムチャート1位を獲得しています。
彼女の大ヒット曲であり、代表曲である「Havana」はそのタイトル通り故郷であるキューバ・ハバナへの想いを歌った曲です。故郷を思う気持ちが強いところはとてもキューバ人らしいですね。
アンディ・ガルシア
1956年生まれ、キューバ・ハバナ出身のハリウッド俳優です。キューバ出身ではありますが、彼が5歳ときにキューバ革命をきっかけにアメリカへ移住しています。
代表作には「アンタッチャブル」、「オーシャンズシリーズ」などがあります。1989年には日本が舞台になった映画「ブラック・レイン」で高倉健や松田優作とも共演しました。
年齢を重ねても衰えを感じさせないルックスを保つ彼ですが、褐色の肌にしっかりとした眉と眉間から高く通った鼻筋が特徴的です。
フィデル・カストロ
1926年生まれ、キューバ・ビラン出身の政治家であり、革命家です。有名なチェ・ゲバラと同じく1959年のキューバ革命の主導者の一人です。
その思想や政治活動については未だ賛否両論がありますが、キューバ国内では英雄と称える人が多くいます。
彼はスペイン系のガルシア人移民の二世です。彼の肌色は白人らしく白に血管が透けているようなやや赤い肌色をしています。
またキューバが独立した国家体制を築いてアメリカのいいなりにならないよう革命に踏ん切ったその愛国心と、武力で前政権を倒した直情的なところはキューバ人らしい特徴なのかもしれません。
フレデリク・セペダ
1980年生まれのキューバ出身の野球選手で、褐色の肌色をしたキューバ人らしい風貌ですね。2014年には日本の読売ジャイアンツと契約しており、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
キューバは社会主義国なのでプロ選手は存在せず、スポーツ選手は国家公務員扱いだと言います。ジャイアンツと契約した際も年俸の20%をキューバ政府に支払うという新制度のもと可能になった事例です。
キューバはスポーツ大国としても有名でベースボールをはじめ、バレーなどでも活躍が目立ちますが、こんな社会主義国ならではの事情もあるんです。
キューバは社会主義の国でまだまだ閉鎖的な部分もありますが、時代が変わるにつれ、スポーツ選手をはじめ、色々な方を知る機会が増えるかもしれませんね。
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