トルコは中東に位置するアジアの国でブルガリア、ギリシャ、グルジア、アルメニア、イラン、イラク、シリアと国境を接する国土面積が日本の約2倍強ほどの国です。日本では観光地としてカッパドキアの岩窟群やトロイの古代遺跡が人気ですね。
公用語はトルコ語で国民のほとんどがイスラム教を信仰しています。しかし、イスラム圏の国々の中ではどちらかと言えば戒律は緩めです。
トルコは歴史の中で東から西へ移動し、トルコからもトルコへも移住する人が多い国際色豊かな国でもあります。
そんな色々なものが混ざり合い、独特の文化を形成しているトルコに暮らすトルコ人の特徴や国民性をまとめました。一つの傾向ではありますがトルコ人を知る上での参考にしてみてください。
目次
トルコとはどんな国？トルコといえば？
トルコと言えば何を思い浮かべますか？最近では日本でもトルコの有名な食べ物である「ケバブ」が流行っており、ケバブのお店を見かけることも増えましたよね。
もちろんケバブ以外にもトルコを象徴するものはたくさんあります。まずはトルコ人を知る上でヒントになるトルコという国について紹介します。
性格や恋愛観、見た目などが知りたい！そんな人は読み飛ばしてもOKです。
オスマン帝国
かつてのトルコはオスマン帝国という600年もの間続いたとても大きな国でした。今のトルコと同様に多民族国家で、それぞれの宗教や文化を持つことが許されていた当時では珍しい国家形成でした。
世界遺産に登録されている「セリミエ・モスク」はオスマン帝国時代のモスクで、とても華やかで豪華な装飾が施されています。最近ではオスマン帝国の後宮を舞台にしたドラマ「オスマン帝国外伝」が世界で有名になり再注目されていますね。
世界三大料理
トルコ料理は、フランス料理、中華料理とならぶ世界三大料理のひとつです。
オスマン帝国のスルタンと呼ばれる皇帝が、広大な帝国中の様々な地域から食材や調理法を取り寄せては、宮廷料理人に競わせていたことがその始まりと言われています。
家庭料理も様々な種類があります。ドルマと呼ばれる野菜に具材をつめたものや、ハンバーグのようなキョフテは定番の家庭料理です。
トルコの人々は朝食に品数を多くたっぷりと食べます。パンや野菜に果物、チーズなどテーブルいっぱいに並べ、トルコならではの茶器で飲むチャイを楽しむことが多いです。
この食文化もトルコを代表する特徴ですね。
独特な文化
トルコの生活習慣や伝統には独特なものが多く、困惑しやすいことの一つに身振り手振りのジェスチャーがあります。
例えば、世界的に見ても首を縦に振れば「YES」、横に振れば「NO」というジェスチャーがありますが、トルコでの「NO」は首を後ろにそらし、目を細めたり舌打ちをするジェスチャーを取られることがあります。
では、トルコでの首の横振りは何を意味するのかといえば「わからない」を意味します。この横に振ってわからないは何となく通じますが、必ずしも「NO」ではないところに戸惑うかもしれません。
イスラム教の戒律は緩め
近年はイスラム教の伝統文化を復興する動きが高まり、学校などでもスカーフ着用が許可されるようになったものの、政教分離が徹底的に行われた過去もあり、宗教的な伝統というよりかはおしゃれアイテムとして着用する女性も多いです。
また、イスラム教の戒律は緩めで、性表現に厳しいイスラム圏には珍しいアダルトグッズが買えるオンラインショップが誕生したことも一部で有名です。これがニュースになるくらいに珍しいことだと言えます。
ナザール・ボンジュウ
ナザールボンジュウはトルコのお守りのひとつで、魔除としても使われています。青いガラスに目玉が描かれたもので、名前は知らなくとも見たことがあるかもしれません。
ナザールが「邪視」、ボンジュウがこの目玉のお守りを指し、「邪視」から守ってくれるというイスラム以前の迷信の一種です。
この地域では、「嫉妬や羨望のまなざしにあうと災いをまねく」といわれており、邪視をうけるとナザールボンジュウが割れてその人を守ってくれると言います。
あくまで迷信のようですが、トルコの街を歩けばどこのお土産屋さんでも売っているとてもポピュラーなものです。トルコのお土産としても良いですね。
長い歴史と様々な文化が入り交じって形成されたのがトルコ文化です。それではそんなトルコに暮らす人々の特徴や国民性を見ていきましょう。
トルコ人の性格
トルコはヨーロッパ、アフリカとも近いアジアの国で様々な文化や人々が入り混じったとても国際色豊かな国です。
今回はそんなトルコの国民性やその性格についてご紹介していきます。
自尊心と愛国心が強い
トルコ人の特徴として、ややプライドが高いことがあげられます。自分の国に誇りを持っていて愛国心の強い国民性といえます。特に男性にみられる特徴で、同時に自尊心の強さもあげられます。
トルコはアジアに属する国ですが、ヨーロッパにとても近い国でもあります。そのため「自分たちはヨーロッパの国だ」と主張している人も少なくありません。自分たちの国が先進国の多いヨーロッパに属していると主張しているところからも、愛国心とプライドの高さが伺えます。
楽観的で大雑把
様々な文化が入り混じった国であるということは、それだけ諸外国を受け入れてきたという意味でもあります。トルコからの移民も多いですが、トルコへの移民が多いことも理由でしょう。
外国人観光客にも寛容的な人が多く、仲良くなって打ち解けられる人懐っこさがあります。しかしその一方で「なんとかなる」といった思いが強いのか、ときに大雑把にみえてしまうところもあります。
また、トルコ人は日本人に劣らず義理堅く勤勉な傾向がありますが、ちょっとしたミスでは謝ることはなく、逆に軽い口約束なら破ってもあまり気にはとめません。こういった場面にも楽天的で大雑把な性格が見受けられます。
喜怒哀楽がハッキリしている
トルコ人は、多くの日本人と違って感情を表に出すタイプの性格の人が多いです。嬉しいときは大げさにガッツポーズをとって喜んだり、パーティーなど家族や大勢で楽しむことを好みます。
また、悲しいときは子供のように涙を流し、怒ったときには大きな声で怒りをあらわにします。
感情の起伏が激しいように感じるかもしれませんが、トルコ人にとってはこれが当たり前のことであり、とても大切なコミュニケーションの方法なんですね。
この特徴はやや女性的に感じますが、もちろん男性も喜怒哀楽がハッキリとしています。
熱心なイスラム教徒、でも戒律は緩め
トルコは中東に位置する国で、国民のほとんどがイスラム教徒です。日本ではあまりなじみのない宗教ですがその厳格さを知る人は多いでしょう。
トルコは戒律にとても厳しい国というほどではありませんが、イスラムの教えにのっとった生活をしています。
様々なルールがあるといっても、それは彼らにとって「守って当然のもの」、「日常的なもの」です。
イスラム教の国では、なかなか外国人が受け入れられるのが難しいようですが、外国人にたいして歓迎の姿勢が見られるのはトルコ人の特徴ですね。
トルコ人の性格的な特徴には、日本人とは少し違った特徴が多いように感じられますね。それでもトルコには親日家が多いと言われています。トルコ人の寛容さはとてもあたたかいものに感じられますね。
トルコ人の恋愛観・結婚観
トルコはイスラム教を信仰している人が多い国です。性別や交際の仕方についても戒律があるため日本とはやや異なった恋愛観・結婚観も持っている人が多いかもしれません。
それではトルコ人の恋愛観と結婚観について見ていきましょう。
男性優位な交際関係
イスラム教はもともと女性をとても大切にしている宗教です。危険から女性を守るための戒律が今では女性の行動を制限しているように感じられますが、トルコも例外でなくこの戒律を守っています。
トルコ人の男性は積極的で女性に対してやや強気なところがあります。反対に女性は控えめでシャイです。そのためトルコ人には昔の日本のように女性は男性の一歩後ろをついていくのが自然な男女関係というような感覚があります。
束縛や嫉妬心が強い
トルコ人は愛情深く、相手をとても大切にします。
その愛情深さ故なのか束縛や嫉妬が激しい傾向があります。こちらは男女ともに見られる特徴で、ときには相手が異性と交流をもつことにも嫉妬してしまいます。
普段は控えめなトルコ人女性も独占欲が強く、特に男性は自分の恋人や配偶者に対して「自分のもの」という意識が強いです。
また、喜怒哀楽がハッキリとしているトルコ人は、嫉妬していることを隠したりはせず、相手にハッキリと伝えます。
家族の絆を大切にする
トルコ人は家族の絆をとても大切にします。休日は家族で過ごすことが多く、パーティーも家族単位で招待されることも少なくありません。
トルコでは交際を始めるにあたって家族の了承が必要な場合が多いのも特徴です。
イスラム教の教えから、恋愛は結婚のためのものであり、とても重要なことと考えられています。つまり、家族の了承がなければその関係は終わってしまいます。
婚前交渉はしない
イスラム教が婚前交渉を禁止していることは知る人も多いでしょう。
イスラム教徒にとっては恋愛と結婚はセットであるため、婚前に関係を持つことは戒律を破ることになります。もし破ったことが知られてしまうと厳しい懲罰を与えられることもあります。
こういった戒律があるために、女性がシャイで控えめなのかもしれません。
トルコ人の恋愛観や結婚観は根強いイスラム教への信仰心が根底にあります。日本人にはあまり馴染みのない感覚ではありますが、彼ら彼女らにとっては切り離せない大切なものです。
トルコ人の見た目とスタイル
トルコ人と聞いてイメージする人や外見はどんなものでしょうか？トルコは美男美女が多いことでも有名です。それでは、トルコ人の見た目やスタイルなど外見的な特徴を見ていきましょう。
アラブ系
中東アラブ系の特徴は、体毛が濃いことと褐色の肌を持っていることです。
彼らの特徴は黒髪で、まつげや眉毛が濃く目元がパッチリとしています。女性の中には化粧をほとんどしない人も多いです。
顔の彫りはやや深めですが、ヨーロッパの人々と比べると鼻筋がそこまで高くありません。目元がハッキリとしている影響かやや目と目の感覚が狭く感じられます。
身長は日本人とあまり差はありませんが、痩せている人は少ないです。また、筋肉がつきやすいため体格の良い人が多いようです。
ヨーロッパ系
トルコは地中海にも近く、ヨーロッパからの移民がたくさんいます。中でも多いのが南ヨーロッパのイタリアやスペインからの移民です。
その影響を受けた人々は、アジア系の顔立ちよりもヨーロッパの人々の顔立ちに寄っていて、やや褐色の肌色や丸顔気味ではありますが、彫りが深く鼻筋は高く通っています。髪は黒や茶色っぽい色で、身長は高身長の人が多いです。
ロシア系
アジアの国々にはロシアから移住した人々が多くいますが、トルコもそのうちの一つです。
ロシア系の人々の特徴は色素の薄い髪や目で、中には金髪碧眼の人もいます。肌は透き通るような白い色をしていてロシア人の特徴が色濃く出ています。身長はヨーロッパ系同様やや高めの人が多いです。
アジア系
アジア系は中東アラブとは違い、日本人のような見た目をしています。
顔の骨格は、彫りは深くなくやや平らです。肌の色は黄色で、髪の毛の色は暗くほぼ黒に近い色をしています。
身長も日本人とさほど差はなく、中肉中背の人が多いです。
ヒゲが威厳のシンボル
中東ではヒゲが威厳ある人のシンボルとなっており、トルコでも同様です。特にトルコでは近年ヒゲの増毛クリニックが人気で、他の中東地域からもヒゲを増毛しに訪れる人も増えているようです。
日本ではメンズ脱毛として男性の無毛化といいましょうか、脱毛が流行っていますがトルコや中東では逆を行っています。
ヒゲは完全に脱毛することを躊躇する男性も多いと思いますが、こういった男性の威厳の意味もあるので悩ましいところですよね。
現在のトルコはアジアの西の端アナトリア半島からヨーロッパのバルカン半島にまたがる位置にありますが、もともとトルコ人の先祖は東の中央アジア出身だったと言われています。
歴史の中で西へ西へと移動してきたトルコ人は現在では彫りが深く、白人に近い顔の人が多いですが、かつては日本人と同じような東アジア系の顔が多かったといいます。
トルコ人と一口に言っても、移民の多い国なので一概にまとめることができません。また、ヨーロッパ系とアラブ系の間に子供が生まれ…と言ったように現代では色んなルーツを持った人が多くいます。それだけ血が混ざるのでアラブ系でも目の色が緑、などといった特徴を持つ人もいます。
またトルコは肉食の国なので体格的には痩せている人よりも肉付きの良い人の方が多いようです。
トルコ人やトルコハーフの有名人・芸能人
トルコ人やトルコに縁のある有名人をご存知ですか？有名な外国人でも、国籍までは知らないことも多いですよね。
ここではトルコ人やトルコハーフの有名人について紹介していきます。トルコ人を知る上でヒントになるかもしれません。
イルハン・マンスズ
1975年生まれ、ドイツ・バイエルン出身のトルコ国籍ドイツ移民の2世で、元サッカー選手です。
トルコでも人気のスター選手ですが、日本でも2002年の日韓ワールドカップのときにはその外見の美しさから「イルハン王子」と呼ばれ、イングランドのデヴィッド・ベッカムに並ぶ人気を博しました。
黄色の肌色でありながら、ハッキリとした目鼻立ち、黒髪にしっかりとした眉などアラブ系を思わせる特徴もあります。
トゥバ・ビュユクウストゥン
1982年生まれ、トルコ・イスタンブール出身で女優やモデルとして活躍しています。大学で博士号を得る高学歴でありながらCMなどでモデルデビューし、2003年に女優として活躍の幅を広げました。
2010年のニューヨークタイムズ紙が選ぶ「世界でもっともセクシーな女性100人」にも選ばれている美貌の持ち主です。
やや褐色の肌色に緑がかった目の色をしています。しっかりとした眉や黒い髪がその目の美しさをより強調していますね。
タルカン・テヴェットール
1972年生まれ、西ドイツ・アルツァイ出身のトルコ人ドイツ移民の2世で、トルコを代表する歌手です。
彼と彼の作品はトルコのみならず欧米でも人気です。1994年に発売されたセカンドアルバムは、トルコ国内の200万枚に加えヨーロッパで75万枚の爆発的にヒットしました。日本でも2000年にCDアルバムを発売しています。
黒髪にグレーと緑が混ざったような透き通る瞳の色を持ちながら、褐色の肌にしっかりとした眉や髭といったとても男性的な特徴を兼ね備えており、中東アラブ系の特徴がしっかりと感じられます。
アジタ・ペッカン
1946年生まれ、トルコ・イスタンブール出身の歌手です。
彼女はトルコでとても人気なベテラン歌手ですが、驚くのはその見た目です。70代でありながらとても若々しい見た目をしています。
外科手術をしていると公表はしていますが、日々のトレーニングなどはかかさず行っているそうで、インスタグラムでも多くのフォロワーを抱えており活動の幅は歌手活動だけにとどまりません。
トップを走り続けるためにはそれ相応でなければならないというトップであり続けることへのプライドが伺えます。歳をとってもここまで維持できるのは自尊心の高さゆえなのかもしれませんね。
トルコや世界的に人気のあるトルコ人を紹介しましたので美男美女がほとんどですが、見た目にはトルコ人の特徴がよく表れています。トルコ人の特徴や国民性の参考に覗いてみてください。
トルコ人と出会う方法
トルコは移民の多い国なので性格的特徴や外見的特徴をひとまとめにすることは難しいですが、全体の傾向としてはイスラム教の教えに沿った生活をしています。また、親日家も多いと言われているので私日本人とは良好な関係を築きやすいかもしれません。
外見的特徴は様々ですが、かつては日本人と似た東アジア系の顔も多かったといい、アジア系の方はどことなく日本人と似たような見た目をしており、親近感も沸くかもしれません。
また、トルコには日本語とよく似た意味、発音の言葉も多く、良いものを「ヨイ」と発音したり日本語とよく似た言葉が50近くもあると言われています。
いたるところにちょっとした日本との共通点が感じられるのも面白いですね。
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