チリは南米に位置する国で、正式名称を「チリ共和国」と言います。ペルー、ボリビア、アルゼンチンと国境を接している南北に細長く伸びる国で、国土は日本の約2倍ほどある国です。
公用語はスペイン語で首都はサンティアゴ。民族はスペイン系が多く、その他のヨーロッパ系と合わせて95％がヨーロッパ系チリ人です。
宗教は全人口の約88％がキリスト教カトリック派を信仰しています。
チリの基本情報としてはこんなところです。
それではチリ人の恋愛や結婚観などを含む性格的特徴・傾向と顔やスタイルなどの見た目に関わる外見的特徴・傾向を紹介します。あくまでも一つの傾向ではありますがチリ人を知る際の参考にしてみてください。
目次
チリとはどんな国？チリと言えば？
チリ人の暮らす「チリ」について知っていることはありますか？まずはチリ人を知るために南米チリがどんな国なのか、チリと言えばなところを紹介します。
直接チリ人の特徴につながる要素はあまりないと思いますので今すぐに性格や外見的特徴が知りたい！という方はここは飛ばしても大丈夫です。
北部と南部で気候が違う
チリの国土は横幅平均175kmに対し、縦（南北の距離）は約4270kmもあり、南北で気候が変わります。
北部に広がるアタカマ砂漠は年間平均350日が晴天という乾燥地帯で、南極に面する南端部は年間平均気温が6度の亜寒帯ツンドラ気候です。
チリの最南端都市は「プンタ・アレーナス」で世界最南端都市とも言われています。正確にはアルゼンチンのウシュアイアの方が南にある「都市」のようですが。
北部では星が良く見える世界屈指の天文台が集まる土地であり、南部ではペンギンも生息しているような変化に富んだ国でもあります。
チリの国土が南北に長いのは南米大陸を縦に走るアンデス山脈を隣のアルゼンチンとの国境にしているからですが、もともと（独立時）は南北の国土の長さは現在の3分の1程度でした。
北部はもともとボリビアとペルーの領土でしたが鉱山の利権などをめぐり1879年に戦争となりチリが勝利し、北部の領土を得ています。
結果的にボリビアは沿岸部を失い内陸国になってしまったので今でもチリ人のことを快く思っていないようです。ちなみにこの戦争は太平洋岸が舞台であり「太平洋戦争」とも呼ばれています。
サンティアゴ旧市街
チリの中央に位置する首都サンティアゴは、インカ帝国からスペインの植民地時代、現在に至るまでの様々な歴史的建造物があり、観光名所になっています。
1800年に完成した「サンティアゴ大聖堂」はとても有名です。
過去に何度も火災で焼失したり、地震により倒壊したりと苦難に見舞われたため、現在の大聖堂は5番目に再建されたものになります。
チリは日本同様に地震が多い国でもあります。
謎だらけの石像モアイ
モアイはチリ領土のイースター島にある人面の石像です。モアイ像などとも呼ばれています。
大きさは3m～4mのものが多いですが、中には20mにもなる巨大な石像もあります。
作られた目的は未だ解明されていませんが、何かしらの祈りをささげるために建てられたと推測されています。
最近では、観光客による落書きや破壊行為が目立っており、落書きをした日本人が逮捕される事件も起こっています。
「気候・ワイン・美女」チリの3つのW
チリは3つのWの国とも言われ、快適な気候（Weather）、おいしいワイン（Wine）、美しい女性（Woman）が有名です。
首都サンティアゴを含む中部は夏の平均気温が25度ほどでカラッと過ごしやすく、ヨーロッパの地中海に似た気候でぶどうの栽培にも向いているため世界でも有数のワインの名産地となっています。
安価でも良質なワインが楽しめると世界でも人気で、日本でも2015年にワイン輸入量の1位になったのはチリでした。
主に生産されているのはカベルネ・ソーヴィニヨン種とソーヴィニヨン・ブラン種ですが、「カルメネール種」という品種も同時期にボルドーから持ち込まれました。
この「カルメネール種」はもうボルドーではほとんど栽培されていないため、チリが栽培面積の多くを占めています。
「カルメネール種」のワインはブラックベリーなどの濃い色をした果実の持つ果実味と力強いタンニンと酸を持っている味わい深いワインを造ります。
メルロー種と勘違いをして長年栽培されていたというエピソードもありますが、現在ではチリを代表する名産ワインになっています。
そして美人が多い背景には先住民のほか、古くからスペイン系、ドイツ系、イギリス系などの各種の移民が入り混じってきた点があるようです。
中南米では貧富の差の小さい治安の良い国
南米は少数の裕福な大地主が多くの貧しい先住民や黒人奴隷を働かせる大農場が多かったのですが、チリでは銅と硝石（しょうせき）の鉱山が代表的な産業であり、鉱山では早くから労働組合が作られたことで社会保障制度も進み、貧富の差はあまり大きくありません。
また、中南米で度々発生するテロやクーデターに関してもチリは1990年に選挙にて軍事政権の軍事独裁から民主政治に移行したことで平穏になっています。中南米においては比較的安全で過ごしやすい地域と言えます。
チリと言えば、その他地震や鉱山落盤事故などでも有名でそういった話も記憶に新しいと思います。特にチリワインは日本のスーパーでも手に入れやすく、日本人にも馴染みの深いものと言えるでしょう。
それではこの南米チリに暮らすチリ人の特徴や国民性について見ていきましょう。
チリ人の性格
チリと言えば南米の国なので、ラテンの明るくオープンな気質をイメージする人も多いかもしれません。
実際のところはどうなのか？大まかな傾向にはなりますが、チリ人の性格的な特徴について紹介します。
意外にシャイ
チリ人の性格については「シャイ」だと言われることがよくあります。ラテン系のオープンで積極的なイメージからは少し離れているようにも感じますよね。
真面目で地味な国民性
チリ人は中南米の中でも真面目なタイプと言えます。
ブラジルは明朗で派手なファッションを好み、白人の多いアルゼンチンは他の南米の国よりちょっと偉そうで高慢、チリ人は服装を見てみてもどちらかと言えば地味で、レストランの店員さんも外国人に対しての言葉遣いが丁寧な人が多いです。
この比較的おとなしい気質には国内に人種や民族の衝突がないことが挙げらます。
チリは白人と先住民があまりくっきりとは分かれておらず先住民の多い南部を除くと人口の95％が白人と先住民の混血（メスティーソ）です。また、黒人奴隷を使う大農場が多くなかったのでアフリカ系が少ないのも要因と言われています。
とは言っても、日本人に比べれば好奇心旺盛で積極的であり、陽気な人が多いです。
シャイだというのも「周りの南米諸国と比べたら」といったところでしょうか。積極的ではありますが強引さはなく、人懐っこい性格をしています。また、親しくなった人とは家族のように付き合うのもチリ人の特徴です。
時間にルーズ
南米の人々に共通して言われることではありますが、チリ人も例外でなく時間に対してルーズなところがあります。
チリ人は基本的に待ち合わせ時間に待ち合わせ場所に現れることはありません。これはチリでは日常茶飯事なので、遅刻に対して怒る人も少ないです。
そしてこれは仕事でもプライベートでも変わりません。
定時に会議が始まらなかったり、デートに遅刻してきたりするのは日常的です。日本人からするとだらしなく、イライラしてしまうところではありますが、悪びれる様子もなくわざわざ謝る人も少ないです。
家族を大切にする
チリ人は家族をとても大切にします。週末は家族でパーティーを開くことも多いです。大勢でいることを楽しむ性格の人が多いので、友人や近所の人を招き、何世代にも渡ってみんなでワイワイと楽しむのが習慣になっています。
パーティー好きの影響からか新居を構える時は、遊びに来た人が泊まれるようにと、ゲストルームを用意する家庭も多いです。
情熱的
チリ人は南米のラテンの人々に共通して言われるような情熱的な面があります。感情豊かで気持ちをストレートに表現するのがとても得意です。
比較的シャイと言われるチリ人ですが、恋愛においてはとても積極的で愛情表現もストレートです。
また男女ともに人前でのスキンシップに抵抗がない人が多く、街中でも抱き合ったりキスをしている姿が見かけられます。
チリ人の性格には意外な面もあったのではないでしょうか。陽気で大雑把なイメージもあるラテン系ですが、その中でもチリ人はシャイであり、どことなく日本人に近いところがあるかもしれませんね。
チリ人の恋愛と結婚観
南米の国、チリはラテンの文化や国民性を持つ国です。恋愛や結婚について積極的なイメージを持っている人も多いですよね？では実際のところはどうなのか。
性格に続き、次はチリ人の恋愛観と結婚観について紹介します。
積極的なアプローチ
チリ人は南米諸国に比べると、控えめでシャイだと言われることが多いですが恋愛においてはとても積極的です。
愛情表現はストレートで、好きになったらとことん口説くのがチリのスタイルです。これは男女共通です。
むしろチリにおいては、女性の方がアプローチに積極的な傾向さえあります。セクシーな洋服を着てみたり、自分から誘ったりすることもよくあります。
グラマー（ぽっちゃり）体型の女性がモテる
日本で言えば、女性のスタイルに関しては、一般的に言えば痩せていて小柄な方が人気がありますよね。この点においてチリは全くの正反対です。
モテる女性のスタイルはグラマーなスタイルで、曰本であれば「ぽっちゃり系」と言われる体型がとてもモテます。
チリ人男性は肉感的なスタイルの女性に色気を感じるようで、反対に日本人の理想とするようなほっそりした華奢な体型は「子供っぽい」と感じるようです。
グラマーな体型に露出度の高い洋服を着た女性に、目を惹かれるチリ人男性は多いです。
駆け引きは好まない
気になる人の気を引きたい気持ちから、メールの返信を遅らせてみたり、ヤキモチを妬かせるような行動を起こしたり…日本人でなくてもこういった駆け引きをすることはよくありますよね。
ところが、チリ人はこのような駆け引きは好みません。
愛情表現がストレートな人が多いので遠回しなアプローチはしないですし、ヤキモチを妬かせるような行動をしてしまうと「自分には気がないんだ」と思われてしまい、逆効果になってしまうこともあるようです。
結婚を重要視しない
実はチリには事実婚のカップルがたくさんいます。お互いがしっかりと愛情を持っていても、子供ができても、パートナーとして一緒にいるという選択をする人が多いです。
理由は様々ですが、シングルマザーだと国からの補助金があったり、結婚よりも離婚の方が手続きなどが多く面倒だったり、そもそも法律上の結婚という制度に意味を感じないという人もいるようです。
チリ人の恋愛には情熱的でありながら、少し奔放な性格が垣間見えます。恋愛は楽しくてこそ、という恋愛観が結婚観にも現れているようです。
チリ人の見た目とスタイル
チリ人の外見をイメージしたときにどんな姿を想像しますか？南米らしいラテンの褐色の肌色を想像するかもしれませんね。
それではチリ人の見た目（顔や肌の色）やスタイルなど外見的な特徴を紹介します。
メスティーソ
チリの人口の約半数がヨーロッパ人で、そのうちの40%以上がメスティーソです。
ヨーロッパの白人と先住民であるアメリカインディアンの混血のことで南米に多くいる人種のことです。
チリも他の南米諸国と同様に、開拓された後にヨーロッパ人が多く移り住んだ土地なのでメスティーソが多く暮らしています。
彼らの特長はヨーロッパ人の特徴である高身長や顔の彫り深さを受け継いでいることです。
印象的な髪の毛
アメリカインディアンは体毛が比較的濃い人種です。そのため、混血のメスティーソにもその特徴が見られます。チリ人の多くが、真っ黒い髪の毛やしっかりとした眉毛、目をくっきりと見せる長いまつ毛を持っています。
男性にも同様にまつ毛が長い特徴が見られるので、目元がハッキリとしていてどこか可愛らしいような印象を受けるかもしれません。
褐色の肌色
アメリカインディアンは元々黄色人種ですが、やや暗い肌の色をしています。白人との混血でも肌の色に関しては褐色の肌色になる場合が多いです。
白人に比べると紫外線や乾燥に強い肌質であることから、ニキビなどの炎症を起こしにくいと言われています。女性も男性も肌の綺麗な人が多いのもチリ人の特徴と言えるでしょう。
平均身長は低め
チリ人の平均身長は、男性が約171cm、女性が159cmと（世界的に見れば）やや低めです。近年は若年層の平均身長がやや高くはなってきていますが世界の他の国々と比べると低身長な部類に入ります。
チリ人の男女別の平均身長を見てみると、若年層の女性は身長がやや高くなっていて、男性との差がほとんどありません。つまり、他国に比べると女性に対して男性の身長が低いことが伺えます。
近年のデータでは日本人と同等、もしくは日本人よりも平均身長が低くなっています。
当たり前かもしれませんが、チリは日本とは異なった歴史的背景を持った国なので、そこに暮らす人々の特徴も異なってきます。紫外線や乾燥に強い肌というのは、とても羨ましい部分ですよね。
チリ人やチリハーフの有名人・芸能人
これまでに紹介したチリ人の特徴の参考になるかもしれない、チリの有名人や日本人とチリ人のハーフについて調査しました。
チリ人を知る上での参考にしてみると面白いかと思います。それではチリ人の有名人・芸能人について紹介します。
イバン・サモラーノ
1967年生まれのチリ・サンティアゴ出身の元サッカー選手です。現在は指導者として活躍しています。
当時のポジションはFWでヘディングなど空中戦に強かったことから、「ヘリコプター」の異名で呼ばれていたようです。1987年～2001年まで14年もの間チリ代表選手に選出され69試合出場34得点の成績を収めています。
ヨーロッパのクラブチームでも活躍した彼ですが、サッカーへの情熱も去ることながら他の選手への敬意を惜しまず、チームメイトを家族のように大切にした選手でもありました。周囲への愛情の深さはチリ人らしいですね。
コート・デ・パブロ
1979年生まれのチリ・サンティアゴ出身の女優です。現在では主にアメリカで活躍しています。
主な出演作には、ドラマ「NCIS〜ネイビー犯罪捜査班〜」や日本でも大きく報道されたコピアポ鉱山の落盤事故を題材にした「チリ33人 希望の軌跡」などがあります。
彼女の顔立ちは、褐色の肌にしっかりとした眉やまつ毛が印象的なメスティーソらしい特徴が伺えるラテン系美人です。
マルセロ・リオス
1975年生まれのチリ・サンティアゴ出身のプロテニス選手です。テニスでは珍しいチリ人のトッププレイヤーとして活躍しました。
長髪を一つに束ねた姿がとても印象的で、その男らしくセクシーな見た目から女性の支持も厚かったようです。
グランドスラムでの優勝はありませんでしたが、175cmと他の選手と比べれば小柄な体格で世界ランキング1位にまで登りつめた実績があります。
インディアンを思わせるような男らしい骨格と、褐色の肌に真っ黒くしっかりとした髪の毛や眉がとても特徴的です。
ダニエラ・ヴェガ
1989年生まれのチリ・サンティアゴ出身の女優です。彼女は男性として生を受けましたが、トランスジェンダーであることを自覚し性転換を行っています。
2017年の映画「ナチュラルウーマン」では自身と同じトランスジェンダーの役を演じ、アカデミー賞で外国語映画賞を受賞、その他の映画賞でも女優賞を受賞するなど、世界から高い評価を受けています。
2018年にはアメリカのニュース誌「タイム」で「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたことでも話題になりました。
一見するとヨーロッパ的な特徴を感じますが、やや下顎の骨格が張っているところや鼻が高くても鼻筋が細くないところはメスティーソやラテン系の特徴と言えます。
伊礼彼方
アーティストであり、俳優やファッションモデルも務める伊礼彼方（いれいかなた）さんは父親が日本人で母親がチリ人のチリハーフです。
パッと見では日本人ですが、眉と目が近く、彫りが深く見え、目力も強い、端正なルックスをしています。どこか日本人離れした色気のあるイケメン男性ですね。
知らなかったチリの有名人もいたのではないでしょうか。世界に影響力を持つチリの有名人たちはこれからもっと活躍していくかもしれませんね。
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