東欧ヨーロッパに位置するスロバキアは、幾度となく合併と独立を繰り返し誕生した(今のかたちになった)国でもあります。
そんな争いの絶えなかった環境を考えると気性の荒い性格を想像するものですが、それとは正反対とも言えるとても素朴で穏やかな性格、国民性をしています。
どこか日本人気質とも言えるスロバキア人の内面的特徴や外見的な特徴について見ていきましょう。
日本人にどこか似ているその国民性は私たち日本人にとってはとても親しみやすいかもしれません。また、比較的安全な国でもあるので東ヨーロッパ観光の穴場として足を運んでみるのはいかがでしょうか。
首都 | ブラチスラバ |
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人口 | 545万人(2018年) |
面積 | 4.9万㎢ |
言語 | スロバキア語 |
宗教 | キリスト教 |
通貨 | ユーロ |
スロバキアとはどんな国?スロバキアと言えば?
スロバキアの基礎知識
スロバキア(正式名称:スロバキア共和国)は、東ヨーロッパに位置しており、東はウクライナ、西はオーストリア、南はハンガリー、北はポーランドとチェコに国境を接しています。
国土面積は日本の約7分の1で、人口は545万人です。首都はオーストリアとの国境付近にあるブラチスラバです。
民族はスロバキア人が80%ほどで言語はスロバキア語を話します。宗教はキリスト教ローマ・カトリックが大半を占めており、わずかにプロテスタント派を信仰している人がいます。
古くて新しい国スロバキア
「スロバキア」の名を持つ国は古くから存在していましたが、様々に名前を変えたり他国からの支配を受けた歴史があり、現在の形になるまでは長い年月を要しました。
第一次世界大戦が終わり、オーストリア・ハンガリー帝国が崩壊するとスロバキア民族は独立の道を目指し、チェコとともに1991年に「チェコ・スロバキア」を作りました。
第二次世界大戦中には近づいてくるとナチス・ドイツの影響力が強くなり、ナチスにとって思い通りになる政権を建てさせられ独立。大戦が終わり、1945年に「チェコ・スロバキア共和国」が再興しますが、今度はソ連がチェコ・スロバキア共和国を共産化しました。
1989年の「ビロード革命」を経て1993年にやっと「スロバキア共和国」が分離独立し、現在の形になりました。
スロバキアには様々に形を変えて動乱の時代を生き抜き、自らの自由を手に入れた歴史があります。
天空の城ラピュタのモデル?スピシュキー城
丘の上にそびえ立った古城、スピシュキー城は12世紀に蒙古襲来に備えて構えられたお城です。現在は廃墟となっていますが城下にはカラフルな建物の街並みが残っています。
実はこのスピシュキー城はジブリの映画「天空の城ラピュタ」に出てくるラピュタのモデルのひとつと噂されています。そう思って見てみると、茂った緑の中に静かな佇まいで鎮座している様子はラピュタに似ているかもしれませんね。
スピシュキー城はスロバキア第2の都市と言われているコシツェの近くにあり、「スピシュキー城と、その城下に残る歴史的建造物群」という名称で世界文化遺産にも登録されています。
名産のクリスタル
スロバキアの名産品の一つにクリスタルがあります。日本でも多く流通している「ロナ・クリスタル」は世界的にも有名です。
他にもたくさんのメーカーやデザイナーがおり、一般的なワイングラスやシャンパングラスから細かい彫刻が施されたグラスや花瓶が作られています。スロバキア国内にもたくさんのショップがあり、工芸品として旅行客がお土産にすることも多いです。
チェコのボヘミアングラスと混同されることがよくありますが、クリスタル工芸はスロバキア人にとってとても誇り高いものになっています。
素朴で安全な東欧観光の穴場
長く農業国のイメージも強かったスロバキアですが、現在ではドイツのフォルクスワーゲン社をはじめ、多くの外資系企業が進出し、今となっては自動車産業はスロバキア経済の大部分を占めるに至ります(自動車生産ではEU圏トップクラス)。
とは言えスロバキア人の穏やかな面は今なお残っています。外国人の流入がないわけではないですがスロバキアにはスラム街などもなく、国全体が比較的のどかな雰囲気をしています。
その点で安全であり、近代化しすぎていないため東欧の素朴な雰囲気を味わいたい人には観光の穴場としても魅力的です。
スロバキア人の性格・国民性
素朴で優しい
これはスロバキア人の性格として一番挙げられる特徴です。男女ともに素朴で優しい人が多く、とても親切です。それでいて自分がした親切を驕ることはなく、人に正義感を押し付けることもありません。
その素朴さは生活にもにじみ出ており、豪華で派手な暮らしよりもシンプルでスローなライフスタイル(田舎暮らし)を好む傾向があります。
謙虚
スロバキア人は謙虚な性格をしています。
隣国ロシアなど東欧諸国では来客に大盤振る舞いをする気前の良いところがありますが、スロバキア人はお金や物をあまり欲しがらず、むしろ一方的に何かを与えられると遠慮してしまう謙虚なところがあります。
ある意味で警戒心が高いとも言えるかもしれません。
ギブの文化でもあるお土産文化が根付く日本人からすると戸惑う部分かもしれませんが、性格自体はとても日本人的なところが見受けられるのではないでしょうか。
内向的で穏やかな性格
先にもお伝えした通り、陽気なラテン系のような雰囲気は少なく、穏やかな性格をしています。陽気でおしゃべりというよりは聞き上手な人が多いと言えます。しかし、お酒好きな人も多く、お酒が入ると途端におしゃべりになる傾向はあります。
受け身な性格は仕事にも表れており、仕事では与えられた業務はきちんとこなしますし、そのための努力はしますが余程の熱意がない限りはそれ以上に頑張ろうと必死になることは少ないようです。
やる気がないわけでも、嫌々やっているわけでもなく、波風を立てず日々のルーティンなどコツコツ仕事をこなすのが得意な性格というのがピッタリかもしれません。
スロバキアとして独立する際にも内戦に発展することはなく、平和的にお互いが独立を果たし、友好的な関係を続けていますが、このことからもスロバキア人(とチェコ人)の穏やかな性格が見て取れます。
人間関係においてはスロバキア人同士でも顔見知りでなければ簡単に打ち解けることはまずありません。そのため、親切なスロバキア人でも、外国語を話している外国人には自分から話しかけることはほとんどありません。
自然と地域を愛する
スロバキア人は家族を大切にし、その家族を取り巻く環境を愛します。
自然の多いスロバキアでは、自然を大切に想う人もまた多く、有名なタトラ山脈をはじめとする美しい自然が多く残っています。ネイチャーツアーをはじめ、スキー・スノーボードなどのアクティビティがとても盛んです。
また、物理的な環境だけではなく自分たちが生活する環境も大切にします。
近所付き合いは欠かせない最も大切なコミュニティのひとつとなっています。もともと農業の国だけに地縁・血縁のつながりが強く、困ったときは村や町ぐるみで助け合う精神が残っています。
イメージとしては日本の田舎の村社会のような文化が残っていると言えるかもしれません。
保守的
ヨーロッパの中では田舎と言われることもあるスロバキア。昔からの習慣や考え方に敬意を払い、受け継ぐのが良いと考えており、前衛的なもの、斬新なものを受け入れるのにはやや時間がかかる傾向があるようです。
つまりは保守的な国民性と言えます。
近代、中世、そして雄大な自然が共存する国ですが、あえて昔ながらの農村生活を愛する人も多いです。
自己主張は控え目・空気を読む
スロバキア人の自己主張は控え目でどちらかと言えば相手の顔色を伺いながら話をする傾向があります。いわゆる日本人の国民性とも言える「空気を読む」ことができる外国人と言えます。
内陸国(スロバキア)と島国(日本)という違いはありますが、かつて周辺国から切り離されたような立場だったことがどこか日本人に似ている国民性を作っているのかもしれません。
スロバキア人の恋愛観・結婚観
気まぐれなスロバキア人男性
スロバキア人男性は紳士的でロマンチックなところがありますが、様々な場面において気まぐれです。
気になっている女性に対しても積極的なところがあるかと思えば、何日も連絡をしなかったり、マメだと思ったら面倒くさがりだったり、デートプランを急に変えたりなど不思議に思うような行動が見られます。
一見駆け引きをしているように感じるかもしれませんが、そうではなく気まぐれだからです。はじめは戸惑ってしまう特徴ですが慣れるしかないようです。
気配り上手なスロバキア人女性
スロバキア人女性は、わかりやすくいうと「大和撫子(やまとなでしこ)」のような特徴があります。細かいところによく気がつき、それ対して驕らず謙虚です。
例えば、咳をしている人がいればのど飴を差し出したり、取れかけているボタンに気付けばサッと縫い付け直してくれるなど些細ではありますがしてもらったら嬉しいと感じることをさり気なく実行できます。
また、男性をたてるように一歩ひいた振る舞いが自然とでき、そういった特徴があるからなのかスロバキア人女性は日本人男性と相性がいいと言われることも多いです。
昔ながらの家族観
近年のスロバキアでは女性の社会進出が進んできています。しかし、結婚や出産を機に家庭に入って妻や母親として一家を支えるのが女性の仕事であるという考え方をする人は依然として多いです。
親世代が適齢期の女性や結婚した女性に対して家庭に入ることを求めるのではなく、20代~40代の仕事をしている若い女性たちの中にもそういった考えを持っている人が多いと言います。
結婚や出産で仕事を諦めるとは考えずに、人それぞれに適材適所で効率が良いと思う方を選んでいるようです。
家族・地域のコミュニティを大切にする
スロバキア人の人生において「家族」はとても大切なものです。仕事で家族を犠牲にするような働き方はせず、家族と過ごさない休日も彼らにとってはあり得ません。
また、地域のコミュニティを大切にするのもスロバキア人の性格なので、近所の人たちと家族ぐるみの付き合いをすることが多いです。
スロバキア人の見た目やスタイル
西スラヴ人
スロバキア人はロシアや東ヨーロッパに多いとされるスラヴ系民族で、その中の西スラヴ人に分類されます。
スロバキアには隣国の出身者も暮らしていますが、スロバキア国民の大半がこの西スラヴ人です。
彼らの特徴は、スラヴ人の中でも金髪が多いことや鼻が長く高いことと言えるでしょう。スラヴ人の中にも違いがあって、西スラヴ人にはこう言った特徴が見られると言います。
体型は筋肉質になりやすく、年齢を重ねるごとに肥満の人が増える傾向があります。
スタイルの良い美人が多い
面長の人は少なく、丸顔で顔の小さい人が多いです。それでいて高身長なので多頭身であると言えます。特に若い人は筋肉が発達しているので、モデル体型のように全体的に引き締まった綺麗なボディラインを持つ人が多いです。
唇はやや薄めですが、口の大きい人が多く、笑顔になったときにとても華やかな印象を与えます。どの特徴をとっても美人と言われるのに納得がいくものばかりです。
また、スロバキア人には金髪で肌がとても白い人が多いので、日本人がイメージする典型的な外国人像に近いとも言われています。
スロバキア人とチェコ人(の違い)
スロバキアはかつてチェコと一つの国家に属していました。「チェコ・スロバキア」と聞けば聞き覚えがあるかもしれませんね。
見た目で分かりやすい違いがあるとはなかなか言い難いですが、スロバキア人もチェコ人も「同じもの」として扱われるのには嫌悪感があると言います。
チェコ人もまたスロバキア同様にスラヴ民族の西スラヴ人ですが、ややゲルマン人、つまりドイツ系の遺伝子が入っているので厳密に言えばスロバキア人の特徴とは異なってきます。
鼻筋が綺麗に通っており、立体的な顔立ちに見えるスロバキア人に対して、チェコ人は眉のあたりの骨がやや発達しているので彫りが深めに見えるなど、細かい違いがあります。
ブランドにこだわらないシンプルな服装を好む
シンプルを好むスロバキア人の服装は、日本人ほど流行に左右されることはありません。
シャツやトレーナー、セーターなどは定番型で色味もシンプルな無地、柄物はあまり選ばず模様編みなどを好みます。
ヨーロッパのラグジュアリーブランドを好む人ももちろんいますが、あまりブランドにこだわらないのもスロバキア人の傾向と言えます。
スロバキア人とスロバキアハーフの有名人・芸能人
ヤン・レッツェル
1880年生まれ、チェコスロバキア出身の建築家です。日本では「ヤン・レツル」と表記されることもあります。
彼は友人の父親が経営していた建築事務所の東京支店のマネージャーをしていました。当時の四谷区信濃町に洋館を借りて暮らしていたと言います。そして1915年に広島商品陳列所(現在の原爆ドーム)の建設を手掛けました。
彼の活動のほとんどは日本で行われたと言われており、当時のチェコスロバキアではあまり有名ではありませんでしたが、現在は原爆ドームの設計者として注目され、有名になりました。
彼の写真は和服のものも多く残っています。顔が小さく鼻筋は細く通っていて、スロバキア人らしい特徴が伺えます。
マルチナ・ヒンギス
1980年生まれ、チェコスロバキアのコシツェ出身の女子プロテニスプレイヤーです。1994年~2017年までの23年間という長い期間、現役として活躍しました。
彼女は16歳のときに世界ランキング1位になったり、4大大会年間3冠獲得と4大大会初制覇で最年少記録を記録したりと若い頃から目覚ましい活躍をしていました。
シングルス・ダブルスともに世界ランキング1位を獲得し、30代半ばには混合ダブルスでグランドスラムを達成しています。このような成績が讃えられ2013年には国際テニス殿堂入りを果たしました。
彼女の外見を見てみると、鼻筋が細く長く通っていて彫りが深く見えるところや唇が薄く口が大きいところなどからスロバキア人らしい特徴が見られます。
アドリアナ・カランブー
1971年生まれ、スロバキア出身のモデル・女優であり実業家です。「スロバキアを代表するファッションモデル」と外務大臣から名誉称号を与えられるほど有名な人物で国内外で活動しています。
彼女は180cmと女性としては高身長で、その脚の長さは股下95cmでギネス・ワールド・レコーズに認定されています。
彼女のキャリアのスタートはプラハ・カレル大学医学部を中退して始めたモデル活動からでした。1992年にデビュー、1998年にはテレビ、2004年には映画デビューと順調に活躍の場を広げていきました。
2006年にはイギリスの男性誌「FHM」で「最もセクシーな女性ランキング」の1位に選ばれるなどヨーロッパでの知名度の高さが伺えます。
彼女の外見を見てみると、まずその美しい金髪に目が行きます。それに加えて鼻筋が細く長く、体は筋肉質でスロバキア人の特徴がよく現れています。
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