「ラオス」と聞いてもあまりパッと思い浮かぶイメージがない人も多いのではないでしょうか。日本ではまだまだ知名度が高い国とは言えないかもしれませんが、ラオスは日本と同じアジア圏に所属する国です。
同じアジア圏に位置する「ラオス」で生活を送る(または送った)ラオス人の性格や国民性など人間性の特徴などを紹介します。
あくまでもひとつの傾向ではありますが、ラオス人を大まかに理解する際の参考にしてください。
目次
ラオスとはどんな国?ラオスと言えば?
まずはラオス人を知るためにラオスとはどんな国なのかを見ていきましょう。
自然豊かな内陸国
ラオスの国土は236,800㎢で、これは日本の本州に近い大きさです。四方を中国、ベトナム、タイ、カンボジア、ミャンマーの5ヶ国に囲まれた、海のない内陸国です。
国土の約70%は高原や山岳地帯で覆われ、手つかずの自然が広がる小国です。タイとの国境の約3分の2をメコン川が占めており、メコン川流域に建設された水力発電所は周辺各国に電気を供給する「東南アジアのバッテリー」とも呼ばれています。
多民族国家
ラオスで一番多いのがラオ族で、彼らは人口の約6割を占めています。
ラオ族の他はみな少数民族で、モン族、ヤオ族、アカ族など、49の民族がいて、数え方によってはこれを60を超えるとする資料も、100近いとする資料もあります。
これらの少数民族を含め、公式に用いられている民族の分け方は3つで、低地ラオ人、山腹ラオ人、高地ラオ人のどれかに、主な民族は属しているということになります。
一方でラオス国家は、ラオス国籍を持つすべての人をラオス人(ラオス民族)と定義していて、少数民族はないとしているのが興味深いところです。
観光地として人気
意外に思われるかもしれませんが、ラオスは近年「ルアンパバーン」とクメール遺跡にある「ワット・プーと関連古代遺産群」が世界遺産に選ばれ、観光地や旅行先として人気を博しています。
特に欧米人やバックパッカーに人気で、過去にニューヨーク・タイムズ紙の「世界で一番行きたい国」第1位に選ばれたことさえあるほどです。
前述のように、ラオスには手つかずの豊かな自然が広がっており、「東南アジア最後の桃源郷」と謳われることもしばしばで、満足度の高い観光地ランキングでも常に上位をキープしています。
農業従事者がメイン
ラオスは、他の国と比較して識字率が低いという特徴があります。2015年のユニセフの情報によれば、その率は80%と、隣国ミャンマーなどに比べても低めです。
これは、ラオスの産業の中心である農業に従事する人が多いためであるとも言われています。農業従事者は人口の7~8割近く、自給的農業が主です。識字率の低さは早くから農業従事するせいであるとも、識字できないために早くから農業従事しているとも言われています。
ラオスはアジアの中では決して目立つ国ではありませんが、豊かな自然や多くの民族など、魅力と個性にあふれる国であることが分かりますね。
それではこのラオスに暮らすラオス人の特徴や国民性を見ていきましょう。
ラオス人の性格・国民性
ラオスという国自体、訪れてみると非常にゆったりと時間が流れる「癒しの国」と言われています。
では、そこに住む人々はどんな性格なのか。アジア最後の楽園とも言われるゆえんは人々にもあるのでしょうか。
穏やかで控えめ
ラオスの人々は、争いごとを好まない穏やかな性格をしています。また、大声で怒鳴ったり、怒ったりする人も少ないです。
自分から積極的に話しかけてきたり、笑いかけたりすることはあまりないかもしれませんが、こちらから何かを尋ねたり笑いかけると親切に応じてくれる、控えめな性格の方が多いです。
おおらか
ラオスの人がよく使う言葉に、「大丈夫」、「気にするな」、もしくは「いいよ」が挙げられます。
これは彼らのおおらかさをよく表していて、たとえば街を歩いていて人と人とがぶつかってしまってもケンカになるようなことは一切なく「大丈夫、大丈夫」と済ませることが多いです。
細かいことをさほど気にしない性格でもあり、何かの約束に遅れてしまったときに自分への「大丈夫」という意味でも使われるということからは、何事においてもゆったりとした、おおらかな性格であることが見て取れます。
お金に執着しない
ラオスは、近年急速に発展しつつある国とはいえ、決して豊かな国ではありません。それでも人々はお金に執着することなく、生活していけるだけのものがあればよいという穏やかな暮らしをしています。
これはラオスのことわざにもよく表れています。
- 犬を踏んで出かけ、蛙を踏んで帰る
- 背中は空に、顔は地面に
- 9回我慢、9回忍耐、金の棒が得られるまで
農業従事者が多いこともあるのか農業と忍耐に関することわざが多いです。
また、観光客に対する強引な売りつけや客引きもほとんどなく、ふっかけられたりぼったくられたりという心配があまりないことからも、観光地として人気が集まっています。
お互いに助け合う
ラオス人はお互いを助け合う優しい性格の持ち主です。困っている人を助けたり、人に親切にしたりということが当たり前で、「ラオスでは人が飢えない」とも言われるほどです。
ラオスはあまり目立つ国でないながらも人気な理由には、こうした素朴で奥ゆかしい、そして親切なラオス人の性格があるのでしょう。
ラオス人の恋愛と結婚観
穏やかで親切、控えめな性格が、観光客や外国人にも人気のラオス人ですが、彼らは恋愛や結婚においても同じような性格で接するのでしょうか。
ラオス人の恋愛観や結婚観を見ていきましょう。
お金は愛の指標
もちろんすべての人がそうであるわけではありませんし、ラオス人に限ったことでもないですが、ラオスでは恋愛や結婚において「お金」が大きな位置を占めてきます。
たとえば、女性は男性がどれほど高価なプレゼントをしてくれたか、どれだけ自分との付き合いにお金をかけてくれているかを、自分を愛しているかの指標にしようとする傾向があります。
また、結婚の際にも、場合によっては高額な金銭を要求されることがあります。
相手の行動をとても気にする
穏やかで控えめな性格のラオス人ですが、交際となると少々違ってくるようで、お互いに今どこで何をしているかを、時には少し神経質なくらい尋ねたり知ろうとしたりします。
裏を返せば一途とも言えますが、少し束縛が激しい傾向があります。
複数の交際相手がいる
もちろんこれも、すべての人がそうであるわけではありませんし、特に多民族国家のラオスなので、住んでいる土地や民族による違いもありますが、複数名と同時に交際する人が少なくないこともまた事実です。
しかし、恋愛対象として交際している人と、結婚相手として交際している人をきっちりと分ける面もあり、親族や知り合いに紹介する人は結婚相手として真剣に交際しているという感覚のようです。
女性は家庭を守る
これは特に農村地域でよく見られるスタイルで、男性は家庭を守ってくれる女性を好む傾向があります。また、ラオス人は綺麗好きなので、文字通りの家を綺麗に保ってくれる女性がいると安心できるようです。
家族・親族関係が密
ラオス人は元々、あまり個人で何かをするタイプではなく、食事でさえも、「孤食(または個食)」という考え方がほとんどありません。
それでいて、結婚したらさらに何かをするときはいつも家族や親族と一緒にというスタイルになります。
また、妻が親族同士をつなぐ役を上手に果たすことが期待される場面もあり、こういった一面も、前述の家庭を守るという理想の一部になっているのかもしれません。
どの国の人でも、恋愛や結婚となると性格の違う一面が出てきがちですが、穏やかなラオス人も例外ではありません。
また、急速に経済発展中のラオスだからこそ、近年ではお金を愛の指標にしようとする傾向が見られるのかもしれません。
ラオス人の見た目とスタイル
よく見かけるポスターなどには、浅黒い肌に大きな瞳の子供が写っていることも多く、「東南アジア系の顔」をイメージするラオス人ですが、実際にはどうなのか。
ラオス人の見た目やスタイルなど外見的な特徴・傾向について紹介します。
多民族なので多種多様
前述したとおり、ラオスにはおよそ50の民族が入り混じって暮らしています。そのため、顔や肌の色、彫りの深い浅いなどが皆異なっています。
一口にラオス人と言っても、このような顔立ちの人と定義することは難しいですが、(興味深いことに)ラオス人の中には自分たちを日本人と顔立ちが似ていると言う人もいます。
ただし、傾向としてはよくイメージされがちな「浅黒い肌に大きな二重の瞳、あまり高くない鼻のカンボジア系の顔立ち」の人が多く、その他、日本人に似た「全体的に薄い印象の顔立ち」の人、また「しっかりしたメイクを施した、すぐに何人(なにじん)とは当てられなさそうな顔立ち」の人など様々です。
都会的スタイルと素朴なスタイル
都心部に住む人と、農村部に住む人では、スタイルが異なっています。
都心部に住む人や外国で暮らすラオス人の傾向は、先ほども少し触れた、メイクや日焼け対策をバッチリして、流行を気にする都会的なスタイルです。
それに対し農村部に暮らす人々は、ナチュラルメイクや気取りのない服装をした、のどかで素朴なスタイルと言えます。
色白が人気
東南アジア系のイメージとしては浅黒い印象がありますが、ラオスでは色白な人が男女問わず人気です。
女性は都心部に住む人を中心に、これでもかと言うほど日焼け対策や美白の努力をして、色白を目指します。男性でも、整った顔立ちで人気を博す人や、フライトアテンダントの中には色白でとても綺麗な肌の人が多くなっているようです。
男性でも美白を気にかける文化には、もはや国境はないということですね。
黒髪
男性も女性も、黒髪の人が多いです。中には自然の茶褐色の髪の人もいます。特に女性においては、都会的か自然派かのどんなスタイルかに関わりなく、基本的に黒髪ロングの人が多いです。
ラオスではショートカットの女性をあまり見かけないだけでなく、ロングヘアの方が圧倒的に好印象・高評価だと言われています。
多民族国家なので、外見をこれと言って一言では表せないというのが、かえってラオス人の特徴と言えるでしょう。
これは四方を他国に面するラオスならではのユニークさで、単一民族の日本人から見れば少し憧れてしまうような魅力かもしれません。
ラオス人やラオスハーフの有名人や芸能人
身近なところではあまり聞いたことのないラオス人ですが、どんな有名人や芸能人がいるのか。ラオス人の性格や外見を知る上で参考になるラオスの有名人を見ていきましょう。
トーンルン・シースリット
現在ラオスの7代目首相を務めるのが、このトーンルン・シースリットです。
黒々とした髪にやや細めの二重の瞳、あまり高くない鼻と薄めの唇と、イメージされる東南アジアの政治家そのものの顔立ちをしています。体格は中肉中背と、アジア人らしくあまり背が高くないことも分かります。
スカポン・ヴォンチェンカム
ラオス代表のサッカー選手スカポン・ヴォンチェンカムはベース型の凛々しい輪郭に、大きな二重の瞳、高めの鼻と、前述の首相とは全く異なった外見をしています。
また身長は155cmと男性としてはかなり小柄ですが、スポーツ選手だけあって鍛えられた体つきをしています。
アレクサンドラ・ブンスアイ
ラオス人の父とブルガリア人の母を持つ、ラオス初のポップス歌手、アレクサンドラ・ブンスアイは、バイオリンやピアノなどの音楽方面だけでなく、慶応大学大学院を卒業し、3~4ヶ国語を操ります。その語学力からも分かるように多方面に才能を発揮する才女です。
ブルガリア人の母を持つこともあり、アレクサンドラはかなりヨーロッパ寄りの顔立ちをしています。卵形の小さな顔に、大きな二重の瞳、細く高い鼻、すっきりと薄い唇がバランスよく収まっていて、西洋・欧米の女優だと言われても頷けそうです。
アナンダ・エヴェリンガム
こちらは一風変わった背景の持ち主で、オーストラリア人の父、ラオス人の母を持つ、タイで活躍する俳優です。
トップスターとして知られる彼ですが、タイにルーツを持たずにタイで活躍するアナンダのような俳優は、かなり珍しいそうです。
オーストラリア人の父を持つとはいえ、ラオスの血も上手に引いたように見えるアナンダ。ちょっと濃い顔つきの日本人と言われれば、そう見えなくもないような顔立ちです。黒髪黒眉毛に、二重の瞳、目元のほくろが印象的な甘めのマスクです。
有名人からひも解いてもラオス人の外見や顔立ちには、本当に十人十色の特徴があることが分かります。また、色々な国のハーフがいるのも印象的です。
有名人を見てもラオス人の見た目を「これ」と定義するのが難しいことがよくわかると思います。
ラオス人との出会い方
性格や見た目などラオス人の特徴や国民性を紹介してきましたが、ラオスやラオスに住む人々、ラオスに暮らしていて人々に興味が湧いた方はラオス人と出会い、友達になったり、場合によっては彼氏彼女の恋人関係を目指してみてはいかがでしょうか。
ラオスはまだ日本では馴染みのない国でどうやって出会っていいのかがわからない人もいると思いますが、今はインターネットのマッチングサービスなどを利用することで日本にいながら海外に、または日本に暮らすラオス人を探すこともできます。
例えば、当サイト「外国人出会い隊(覚えてもらえると嬉しいです)」では、ハンガリー人をはじめ、世界各国の色々な外国人の方との出会いの方法をまとめ、紹介しています。
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