東はフィンランド、西はノルウェーに接し、南はエーレスンド海峡を挟みデンマークと向かい合う北欧(北ヨーロッパ)最大の国スウェーデン。祖先はヴァイキング(海賊)としても有名です。ヴァイキングと言えば荒々しいイメージを持つ人も多いと思いますが、実は正反対ともいえる国民性があります。
そして、意外にもどことなく日本人に近しい性格をしており、親近感が湧くかもしれません。
国土の半分が森林に覆われ、冬は長く、寒さの厳しいスウェーデンで形成された、無駄を嫌い、自分でやれることは自分でやる、そして自然を愛でるそんなスウェーデン人の性格や国民性を見ていきましょう。
合わせて、性格が起因する恋愛観や結婚観、見た目(外見)的特徴もまとめていますのでスウェーデン人と知り合いたい人は参考にしてください。
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首都 | ストックホルム |
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人口 | 999.5万人(2017年) |
面積 | 45万㎢ |
言語 | スウェーデン語 |
宗教 | キリスト教(プロテスタント) |
通貨 | クローナ |
スウェーデンとはどんな国?スウェーデンと言えば?
スウェーデンの基礎知識
スウェーデン(正式名称:スウェーデン王国)は、北ヨーロッパに位置し、ノルウェーやフィンランドと国境を接しています。バルト海を挟んでデンマークへも短時間で移動することができます。
国土面積は日本の約1.2倍で首都はスウェーデン南東部にあるストックホルムです。
言語はスウェーデン語が話されていて、民族もスウェーデン民族が多いです。宗教はキリスト教プロテスタントの福音ルーテル派が多数派となっています。
ベジタリアンが多いミート・フリーな食文化
スウェーデンは漁業が盛んな国で、日本と同じように鮭やニシン、魚卵などをよく食します。もちろん肉を食べる習慣もありますが、最近のスウェーデンでは肉の代用品が開発されており、肉の消費量を減らそうとする活動が盛んになってきています。
30代以下のスウェーデン人の5人に1人がベジタリアンと言われていますが、ベジタリアンでない人でも肉の消費量を減らすのがトレンドです。ミート・レスやミート・フリーに関連した運動は世界的にも広がっており、一説にはがんや心臓病のリスク削減のためとも言われています。
スウェーデンの魚料理といえばサーモンを使った料理が有名ですが、その中でも「インラグドシィル」はスウェーデンの食卓に欠かせない一品です。
「インラグドシィル」とはニシンの酢漬けのことで、その家庭ごとにオリジナルレシピがあると言われています。「スモーガス」と呼ばれるオープンサンドの具材としてよく用いられたり、おつまみとしても親しまれています。
コーヒーブレイク文化「フィーカ」
スウェーデンには「フィーカ」や「フィカ」と呼ばれる、コーヒーと一緒に甘いお菓子やスモーガスを食べて休憩を取る文化があります。日本で言う「おやつの時間」「3時のおやつ」のような習慣・風習ですね。
しかし、日本と似たような文化かと思いきや、多くの企業や学校にもこの習慣が取り入れられています。
フィーカは午前10時と午後3時くらいに設けられるのが一般的で、1回のフィーカの時間はだいたい15分程度で、コーヒーやお菓子を片手に息抜きの談笑をします。
のんびりしているように感じられる習慣ですが、仕事や勉強のオンとオフをしっかりとつけることで効率が上がると考えられています。
スウェーデン人の性格・国民性
几帳面で真面目
スウェーデン人は、とても几帳面で真面目です。時間にとても正確で、待ち合わせや美容院や病院などの予約でも長く待たされるようなことがありません。
また、ビジネス上の会話もハッタリや無駄なおしゃべりを嫌い、会議の席での割り込み発言はご法度で必ずと言っていいほど人の話に割り込むようなことはしません。
きっちりとし過ぎていて堅物に思われることもありますが、ある意味でとても聞き上手であり、人を尊重している国民性があるとも言えます。このもともと落ち着いた国民性からか会話での沈黙を気にする人も少ないです。
シャイな慎重派なので仲良くなるのに時間がかかる
北欧の人に共通する特徴でもありますが、スウェーデン人もまたシャイな気質の人が多く、社交の場や交流の場では自分からアピールし、相手との距離を積極的に縮めようとする人はまれで、遠巻きから静かに眺めている人が多いです。
誰とでも打ち解ける性格ではないので、どちらかと言うと相手の性格をある程度知ってからでないと仲良くならない慎重派なタイプと言えます。
スウェーデンは隣国の「ノルウェー」と「フィンランド」に囲まれる形で、その2国を盾に内地でぬくぬくと過ごしてきたのか、衝突や争いなどを避けようとする国民性があるようです。
同じ北欧三国で気質が似ていると思いきや、微妙な違いを知らずにスウェーデン人、ノルウェー人、フィンランド人を混同すると機嫌を損ねてしまいかねないので注意が必要です。
初めて会った日にはあまり距離を縮められないかもしれませんが、会う回数を重ね、会話を増やしながら仲良くなりたいと考えているようです。
少し日本人に似た気質(自己主張をしない謙虚な性格)を持っているため、関係を縮めるにはこちらから積極的に動くことが大切になります。
ちなみに、スウェーデンには「へヴィメタル」のバンドが多く、これは逆説的に大人しく争いごとを嫌う国民性だからこそで、溜まったストレスを過激な音楽で発散する人が多いのだと言われています。
個人主義で自立心が強い
国土が広いのに(日本の1.2倍程度)、人口は1000万人弱であり、人の住居はまばらです。そのうえ寒冷な気候からスウェーデンでは一人で生き抜く力が必要不可欠になります。
そのため、「一人でできることは自分でやる」と考えている人が多く、個人主義の傾向が強いです。
例えば、スウェーデンでは10人に4~5人が一人暮らしをしており、全世帯数の50%弱が独身世帯と言われています(ちなみに日本は30%程度)。社会的・経済的に自立した人が多く、プライバシーを確保できる一人暮らしを選ぶ人が多いようです。
食事の席でも、日本人のように上司が部下におごることも少なく、部下が上司のお酒をつぐといった習慣もありません。「自分のことは自分でやる」と考えている人が多く、個として独立した考え方を持っている方が多いです。
ちなみに、スウェーデン人はもともと禁欲的で健康志向が強いので、大酒を飲む人も少ないです。同じ北国でもあるロシア人とは大違いですね。笑
仕事や家事や育児についてもできることは自分でするべきだと考えており、こういった習慣があるから女性の社会進出や男性の育児への参加が当たり前になっているのかも知れません。
自然を愛する志向
スウェーデンには自然が多く、森や海、湖など、自然をとても身近に感じることができます。また、1年の大半を雪に閉ざされた環境なだけに夏の緑や自然の恵みに感謝する傾向が強く、自然への愛着が深いんですね。
例えば、スウェーデンには「自然享受権(アッレマンスレット)」と呼ばれる権利があり、他人の土地であってもテントを張り、キャンプをしたり、野生の果実やキノコなどを採取することができます。
土地の所有者に損害を与えない限り、すべての人に対して他人の土地への立ち入りが認められるなど自然と深い結びつきを持つ国民性があります。
そのため、大自然の中でダラダラ過ごしたり、散歩が趣味という人も多いです。当然といえば当然かもしれませんが、エコへの関心も高い国です。
思い立ったら即行動
スウェーデンは1年の大半を雪に覆われて過ごします。冬ともなれば夜明けが遅く、寒さも厳しいものがあります。そのため、限られた時間の中で余暇を楽しんだり、日の登る温かいうちにやっておかなければならないことも限られてきます。
何をするにも時間は有限と考え「今やれることは今やっておかなければいけない」と考え、思い立ったら即行動に移す方が多いです。
日本人からするとせっかちに見えるかもしれませんが、あとでやるという考えが通用しない環境がそうさせているのかもしれません。
計画性が高く我慢強い
スウェーデンは、未成年者の医療費がほぼ無料で、世界で初めて育児休暇を導入するなど、社会保障や福祉が充実しています。しかし、その反面、給料の50%ほどを税金に取られ、日々の生活では付加価値税(消費税)の税率も25%と厳しい税制が敷かれています。
こんな高い税率でも受けいられているのには、貯蓄や倹約を説くプロテスタント(ルター派)の信仰と、寒冷で厳しい自然環境が影響しているとのことです。
日頃から先のことを考え、計画的に生活を送ることは当然で、先(未来)でラクをするために今は我慢する、そんな我慢強さ、忍耐強さを持つ国民性があります。
高い税率に冬も長いスウェーデンでは日頃から長く厳しい冬に備えて食糧の備蓄や倹約などを考えて生活をしている方が多いです。
近年では高い税率に嫌気がさし、海外に出ていく若者も少なくはなく、さらに、医療が発達した国なので長生きの人が多く、80歳以上の割合は世界一の一方で、少子高齢化が深刻となっています。
まさに今の日本のようであり、日本の向かう未来な気さえしてしまいますね…。
職人気質
「北欧デザイン」など「北欧○○」と一括りにされることも多いスウェーデンですが、その真面目な性格からか、仕事や勉強に熱心であり、職人気質なところがあります。
スウェーデンといえば、「IKEA」や「VOLVO」、「Ericsson」などの世界的メーカーの名前が挙げられると思いますが、どこも製造業に優れた企業ばかりです。
その他、「H&M」や「Skype」、音楽ストリーミングの「Spotify」などもスウェーデンの企業です。世界中で親しまれるスウェーデンブランドは仕事に真面目で熱心なスウェーデン人の気質が関係しているのかもしれません。
スウェーデン人の恋愛観・結婚観
告白の文化がない
日本では恋人になる前には「好き」や「付き合ってほしい」など、愛の告白をするのが定番ですが、スウェーデンでは告白の文化がありません。
ではどうやって交際がスタートするのかと言えば、それはお互いのフィーリングです。
とても曖昧に感じますが、スウェーデン人にとっては普通なことで、言葉で気持ちを伝えるよりも互いに相手の気持ちを感じることが大切と考えています。お互いが自信を持って「恋人」と思える状態がスウェーデン人にとっての恋人関係です。
英語圏では比較的一般的な告白のない文化ですね。
人前でもスキンシップを取る
スウェーデン人は男女ともに人前でのスキンシップに抵抗がありません。男性は女性の腰に自然に手を回したり(逆に回されたり)、おでこへキスをしたり、そんな恋人同士のスキンシップが人前でも頻繁に行われています。
また密着することが恋人同士の証であり、愛情表現でもあります。
特に女性はスキンシップを求める傾向があり、夕食後はソファでベッタリ寄り添いながらテレビや映画を楽しんだり、歳をとっても手を繋いで街を歩いている光景が見られます。
男女ともに同じ役割を担う
スウェーデンでは男女の役割に差がありません。結婚をすると女性は家庭に入って家を守り、夫や子供に尽くし男性は家族のために仕事をする、そんな考えはありません。
女性の社会進出が進んでいますし、男性も家事をすることに抵抗がありません。
スウェーデンでは高校を卒業するとほとんどの人が一人暮らしを経験するため、男性であっても家事に慣れている人が多いです。
また、夫婦に子どもができても二人で育てるという気持ちが強いのが特徴です。女性は男並みにバリバリ働き、ベビーカーを押している男性も少なくありません。
国自体が子育てに協力的で月給の80%が保証される育児休暇は、子ども1人につき480日与えられるなど、とても恵まれた環境にあります。このように環境が整っていることが夫婦揃って子育てをするのに一役買っているのかもしれません。
男女平等が進んだのは1960年代からだと言われていますが、この価値観を男性がすんなりと受け入れたのも、元から「何でも自力でやる」というお国柄が関係していると言われています。
離婚率は高め
スウェーデンは福祉国家と言われ、医療や子育てなどの社会保障が手厚く、幸福度ランキングも上位の常連国ですが離婚率は高めになっています。
「離婚=不幸・辛い」などのイメージはありますが、スウェーデン人にとっては「離婚=再出発」のイメージの方が強いようです。
育児関係の社会保障も手厚く、シングルでも子育てがしやすく、高い女性の社会進出率も関係しているのかもしれません。
離婚率が高めですが、同時に再婚率が高いこともスウェーデンの特徴と言えます。
そのため、異母兄弟、異父兄弟も珍しくなく、「離婚=子供がかわいそう」といった偏見も少ないです。
他人の恋愛・結婚に口を出さない
個人主義の徹底したスウェーデンでは、30歳を過ぎ、いい歳になって未婚だったとしても、周りは気にせず、特別なお節介を焼かれることもありません。
また、スウェーデンでは結婚しないまま男女で同居をしている、いわゆる「事実婚」の人も多いです。
個人主義な国民性もあってか、結婚も離婚も人それぞれと考える人が多く、他人の恋愛観、恋愛事情に口を挟む人は少ないです。また、同性愛も個人の自由として許容されています。
スウェーデン人の見た目やスタイル
スウェーデン人の平均顔
目が大きくて鼻の高いイケメン・美女が多い
大きな目、高い鼻が特徴の彫りの深い顔立ちの人が多く、イケメンや美女が多いです。
北欧と言えば白人、白人と言えば金髪に青い瞳をイメージする方も多いと思いますが、実際に全員ではないものの、肌は白く、金髪に青い瞳を持つ人は多いです。
他国の白人は黒い瞳の人も多いですが、色素の薄いスウェーデン人はほとんどの人がブルーアイです。
高身長・手足が長い・細身・スタイル抜群
北欧の人々の特徴として身長が高いことが挙げられますが、スウェーデン人の身長もまた高身長となっています。平均としては男性177.9cm、女性165cmですが、女性であっても180㎝を超えている人が多く、手足が長く細身でスタイル抜群の人が多いです。
比較的健康意識や美意識が高く、自然を愛する人が多いためか、ウォーキングやランニングを好む人も多く、結果としてスタイル維持に繋がっているのかもしれません。
動きやすく実用的な服装を好む
スウェーデン人はウォーキングやランニング、散歩を趣味としている人が多く、服装は動きやすさなど実用性を好む傾向があります。
当然オシャレに着飾ることもありますが、普段はシンプルでカジュアルな格好を好み、動きやすさや気温に適したものを選びます。
冬はとても寒く、夏でも夜には気温が下がる環境なので温度調節がしやすいと言う点は重要視されています。
そんなシンプルな服装でも高身長でスラっとしたモデル体型の人が多く、カッコよく、そして美しく見える人が多いです。
スウェーデン人やスウェーデンハーフの有名人・芸能人
スウェーデン人の特徴を掴むために身近な有名人・芸能人を見ていきましょう。ハーフやクウォーターの人も紹介しているので、「この人はスウェーデン人とのハーフだったのか!」と驚くことになるかもしれません。
アルフレッド・ノーベル
1833年生まれ、スウェーデン・ストックホルム出身の科学者であり、発明家、実業家です。「ノーベル賞」の生みの親であり、ダイナマイトを発明した人物です。
彼は幼少期から科学や工学に興味を持っており、特に爆発物への関心が高かったと言います。
父親の事業を手伝うようになり、様々なものを発明し、350もの特許を取得しています。
ダイナマイトは掘削現場などの仕事効率をより良いものとするために発明されましたが、兵器としても使用されました。そのことに関して彼自身も思い悩んでいたとも言われています。
彼はノーベル賞を創設すると署名した遺言書を遺し、その設立には全財産の94%がつぎ込まれたと言います。
ガスメーターをはじめ、彼の努力とその頭脳によって発明されたものは現在でも私たちの生活を支えています。研究や仕事に熱心で真面目なところはいかにもスウェーデン人らしいですね。
ズラタン・イブラヒモビッチ
1981年生まれ、スウェーデン・マルメ出身のサッカー選手です。若干20歳でスウェーデン代表メンバーに選ばれ、オランダの強豪クラブであるアヤックス・アムステルダムに当時のチーム史上最高額の780万ユーロ(日本円で約10億2200万円)で移籍するなどその活躍は目覚しいものでした。
その後はイタリアやスペイン、フランス、イングランドなどヨーロッパの名立たるクラブチームでプレーしました。
プレーだけでなく高身長でセクシーなルックスを持つ彼はその私生活も注目されています。
度々プライベートの写真を撮られていますが、高額な報酬を得ている彼でも服装はいたってシンプルです。高身長でスタイルも良いので着こなせるのかもしれませんが、着飾らないところはスウェーデンの習慣が染み付いているのかもしれません。
アストリッド・リンドグレーン
1907年生まれ、スウェーデンの南東部ヴィンメルビュー出身の児童文学作家です。有名な作品には「長くつ下のピッピ」や「やねの上のカールソン」「ちいさいロッタちゃん」などがあります。
1958年には児童文学作品に与えられる国際アンデルセン賞を受賞しています。また、著書が世界70ヶ国以上で翻訳、100ヶ国を超える国で出版され世代を超えて人々に愛されています。
彼女の外見を見てみると細く高い鼻とくぼんだ目元がとても特徴的ですね。ハッキリとした二重もスウェーデン人に多い特徴です。
LiLiCo
バラエティー番組などで活躍するタレントのLILICoさんは、父親がスウェーデン人、母親が日本人のハーフです。
髪は黒に近く、瞳は少し青みがかったブラウンですね。ハーフなので、日本人的雰囲気を持ちますが、身長も高く、体格も良い引き締まった印象があります。
TV番組で見る彼女はとても明るく元気で(騒がしく)、番組を盛り上げることが上手ですが、それは演出上(仕事上)のことで、普段は落ちついたおとなしい性格とも言われています。
仲里依紗
女優の仲里依紗さんは父方の祖父がスウェーデン人なのでクォーターになります。
顔やスタイルをよく観察してみると、スラっと背が高く美しい顔立ちをしており、何となく日本人離れした独特の雰囲気がありますよね。スウェーデン人の血を引くだけあって、洗練されたスタイルの持ち主と言えそうです。
近年は夫である中尾明慶さんとの夫婦仲が話題で、仲良し夫婦としても人気ですね。
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